鉄くずとは?種類・価値・リサイクルの流れを徹底解説

鉄くずとは

鉄くずとは、不要になった鉄製品や鉄材料の総称で、スクラップとも呼ばれます。

建設現場や工場、解体作業、家庭から発生する鉄製品の破片や廃材が含まれます。一見するとただのゴミのように思えますが、鉄はリサイクル性が非常に高く、再び原材料として利用できる貴重な資源です。

世界的にも鉄は製造・利用量が多く、再利用のサイクルが確立されています。そのため、鉄くずは廃棄物ではなく資源ごみとして扱われることが一般的です。

目次

鉄くずの主な種類

鉄くずにはいくつかの種類があり、発生元や形状によって分類されます。

1. H鋼・形鋼スクラップ

建設現場や解体工事で発生する大型の鉄材。

ビルや橋梁の骨組みに使われたH鋼やLアングルなどが含まれます。強度が高くリサイクル価値も高いのが特徴です。

2. 新断スクラップ

鉄鋼製品の製造工程で出る端材や切れ端を指します。

品質が安定しており、再利用しやすいため高値で取引されることがあります。

3. 雑鉄(ミックスメタル)

解体現場や家庭から出る、鉄以外の金属や異物が混ざった鉄くずです。

混合物が多いほど選別作業が必要になるため、純度の高い鉄くずより価値は下がります。

4. 家電・自動車スクラップ

使用済み家電製品や廃車から出る鉄くず。

内部には銅やアルミなどの非鉄金属も含まれるため、解体・分別工程が重要です。

鉄くずの価値と価格変動

鉄くずは国際的な資源相場に連動して価格が変動します。主な影響要因は以下の通りです。

  • 鉄鉱石や原料の需給バランス
  • 国内外の製鉄需要
  • 為替レート
  • 輸出規制や環境規制

例えば、海外の製鉄需要が高まると鉄くずの輸出量が増え、国内価格も上昇しやすくなります。

逆に需要が低下すれば価格は下がります。

また、鉄くずの種類や状態によっても単価が異なります。錆びや汚れが少なく、純度が高い鉄くずほど高値で取引されます。

鉄くずのリサイクルの流れ

鉄くずは回収後、選別・加工を経て新しい鉄製品として生まれ変わります。

一般的な流れは以下の通りです。

STEP
回収

解体業者、産業廃棄物処理業者、スクラップ買取業者が現場から鉄くずを集めます。

STEP
選別

磁力選別機や手作業で異物を取り除き、鉄くずの種類別に分けます。

STEP
加工

大型の鉄材はガス切断やシュレッダーで細かくし、溶解炉で扱いやすい形にします。

STEP
製鋼工程

電炉や高炉で鉄くずを溶かし、新たな鉄製品の原料として使用します。

鉄くずのリサイクルのメリット

鉄くずの再利用には、環境面・経済面で多くの利点があります。

  • 資源の有効活用
    鉄鉱石の採掘量を減らし、天然資源の枯渇防止に繋がります。
  • CO₂排出量削減
    鉄鉱石から鉄を製造するより、鉄くずを再利用した方がエネルギー消費とCO₂排出を大幅に削減できます。
  • 経済的利益
    鉄くずは売却できるため、企業や個人にとっても収入源になります。

鉄くずを高く売るコツ

鉄くずの売却価格を上げるには、以下のポイントが有効です。

  1. 異物を取り除く
    鉄以外の金属やプラスチック、木材などを混ぜないことで純度が上がります。
  2. 種類別に分ける
    H鋼、雑鉄、新断スクラップなど、種類ごとに仕分けると評価が高くなります。
  3. 錆や汚れを減らす
    長期間屋外に放置すると錆びや腐食が進み、価値が下がるため早めに売却するのがベストです。

まとめ

鉄くずとは、不要になった鉄製品や鉄材の総称であり、世界的に重要なリサイクル資源です。

種類によって価値や取引価格は異なりますが、正しく分別・処理すれば高値で売却できる可能性があります。また、鉄くずのリサイクルは資源保護や環境負荷低減にも貢献します。

もし手元に鉄くずがある場合は、廃棄するのではなく、信頼できる買取業者に依頼して資源として再活用することが望ましいでしょう。

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