冷蔵庫は私たちの生活に欠かせない家電のひとつですが、寿命を迎えたときには「スクラップ」として適切に処分する必要があります。
一般的に冷蔵庫の寿命は10年から15年程度とされており、買い替えや故障をきっかけに廃棄を考える人が多くなります。
しかし、冷蔵庫は通常の粗大ごみのように簡単に捨てることはできません。
この記事では、冷蔵庫をスクラップとして処分する方法、法律上のルール、スクラップ業者の役割、そしてリサイクルによる環境への貢献などについて詳しく解説します。
冷蔵庫の処分は「家電リサイクル法」に基づく
冷蔵庫は「家電リサイクル法(正式名称:特定家庭用機器再商品化法)」の対象製品です。
この法律は、テレビ、エアコン、洗濯機・乾燥機、そして冷蔵庫・冷凍庫の4品目を対象とし、適切なリサイクルを義務づけています。
この法律により、冷蔵庫を処分する際には「リサイクル料金」と「収集・運搬費用」の支払いが必要です。一般家庭で冷蔵庫を処分する方法としては、以下のような選択肢があります。
1. 購入した家電量販店に引き取り依頼
新しい冷蔵庫を買い替える際には、販売店が古い冷蔵庫を引き取ってくれることが一般的となります。
リサイクル料金と別途収集運搬費がかかりますが、手続きは比較的スムーズです。
2. 市区町村が指定する引取場所に持ち込む
自力で搬出・搬入が可能な場合、市区町村が指定する「家電リサイクル受付センター」などに持ち込む方法もあります。
この場合も事前に郵便局などで「家電リサイクル券」を購入し、必要な料金を支払いが必要です。
3. スクラップ業者やリサイクル業者に依頼
スクラップ業者に直接依頼する方法もあります。
中には無料引取をうたっている業者もありますが、違法業者や不適切な処分を行う業者も存在するため、慎重に選ぶ必要があります。
スクラップ業者での冷蔵庫処理の実際
スクラップ業者では、回収した冷蔵庫を以下のようなプロセスで処理します。
1. 分解・部品の分別
2. フロンガスの回収
3. 資源として再利用
1. 分解・部品の分別
冷蔵庫はさまざまな素材で構成されています。
プラスチック、鉄、銅、アルミニウムなどが含まれており、まずはこれらを分解・分別します。コンプレッサーや配線などの部品からは有用な金属が回収されます。
2. フロンガスの回収
冷蔵庫には冷媒として「フロンガス」が使用されている場合があります。
フロンは地球温暖化やオゾン層破壊の原因になるため、専門の機器で回収し、安全に処理しなければなりません。
3. 資源として再利用
分解・分別された金属類やプラスチックは、それぞれ再生資源として製鉄所やプラスチック再生工場などへと送られ、新しい製品の原材料となります。
これがリサイクルの重要なポイントです。

冷蔵庫スクラップが環境に与える影響
適切にスクラップ・リサイクルされない冷蔵庫は、環境に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
- 不適切なフロン処理による大気汚染
冷媒ガスが大気中に放出されると、オゾン層を破壊したり、温暖化効果を強める原因となります。 - 埋立処分による有害物質の流出
冷蔵庫の中には鉛や油分を含む部品もあり、これらが土壌や水質を汚染する危険性があります。 - 資源の無駄遣い
鉄や銅などの金属資源は有限です。リサイクルを通じてこれらの資源を再利用することが、持続可能な社会の構築につながります。
冷蔵庫をスクラップ・リサイクルしない場合、環境に与える悪影響が大きいので、てきるだけスクラップやリサイクルにして処分をしましょう。
違法な不用品回収業者には注意!
一部の無許可業者が、「無料回収」「高価買取」といった文言で冷蔵庫を引き取ることがありますが、これらの業者の中には法令に違反して不適切な処分を行っているケースもあります。
そのような業者に依頼すると、最終的に環境に悪影響を与えるだけでなく、依頼者自身にも責任が及ぶ可能性があります。

【まとめ】冷蔵庫を処理する場合は必ず業者に依頼しましょう!
冷蔵庫をスクラップとして処分する際には、法律を守った適切な方法で処理することが必要です。
家庭でできるのは、信頼できる業者や販売店に依頼すること、そしてリサイクル料金をしっかりと支払うことです。
スクラップというとただの「ごみ処理」と捉えがちですが、冷蔵庫には多くの有用な資源が含まれており、正しくリサイクルすることで環境保護にも貢献できます。