現代社会において、あらゆる産業で使用されている「アルミ素材」
軽くて強く、耐食性にも優れており、建築、自動車、航空機、電気・電子分野、さらには日用品に至るまで、幅広く活用されています。
この記事では、アルミ素材の魅力や販売事情、購入の際のポイントについて詳しくご紹介します。
アルミ素材とは？
アルミニウム（Al）は、地球上で酸素・ケイ素に次いで3番目に多い元素であり、自然界では主にボーキサイトという鉱石から精錬されます。
純アルミは柔らかい性質を持っていますが、他の金属と合金化することで強度が増し、実用性が格段に向上するので仕様することがおすすめです。
代表的なアルミ合金には、以下のような種類があります。
- 1000系：純度の高いアルミ（99%以上）、加工性・耐食性に優れる。
- 2000系：銅を添加した高強度アルミ合金（航空機などに使用）。
- 5000系：マグネシウムを含み、溶接性・耐食性に優れたタイプ。
- 6000系：マグネシウム＋シリコンを含み、汎用性が高く建材によく使われる。
- 7000系：亜鉛を含み、高強度で航空宇宙分野に最適。
これらは形状や用途に応じて、板材・棒材・パイプ・アングル（L字）・押出型材など、さまざまな形で流通しています。
アルミ素材が選ばれる理由
アルミが数多くの業種から選ばれる理由は主に、以下4点です。
- 軽量性
アルミの比重は約2.7で、鉄（約7.9）や銅（約8.9）に比べて非常に軽く、軽量化が重要な航空機・自動車・建築構造物に最適です。 - 耐食性
アルミ表面には自然に酸化被膜が形成されるため、錆びにくく、屋外での使用にも向いています。さらに陽極酸化処理（アルマイト）により耐久性と美観も向上。 - 加工性
曲げ・切断・溶接・穴あけ・研磨などがしやすく、加工自由度が高いため、個人DIYから産業レベルの製品製造まで幅広く対応可能です。 - リサイクル性
アルミは再生が非常に容易で、品質をほとんど劣化させずにリサイクル可能です。再生時のエネルギー消費も新規製造の約3%と非常に低く、環境にも優しい素材です。
アルミ素材の販売市場の現状
近年、脱炭素社会の実現に向けて、軽量素材であるアルミの需要が高まっています。
特に自動車業界では、燃費向上とCO₂削減のためにスチールの代替としてアルミの使用が増加しています。また、太陽光発電設備や5Gインフラの部材としても注目されています。
近年の住宅需要や都市再開発の影響で、アルミ建材（サッシ、外装パネル、手すりなど）も大きく伸びているのが現状です。
販売形態としては、以下のようなチャンネルが存在します
金属専門商社
アルミメーカーの直販（例：UACJ、古河スカイなど）
オンライン販売サイト（楽天、モノタロウ、Amazon）
ホームセンター・プロショップ
中古・リサイクル業者（環境配慮型ニーズ対応）
アルミ素材を選ぶときのポイント
1. 用途に合った合金を選ぶ
強度が必要な場合は7000系、加工性を重視するなら6000系など、目的に応じて選定することが重要です。
2. サイズ・形状
一般的な定尺は板材で「1000×2000mm」や「1219×2438mm（4×8板）」など。切断加工の可否や希望サイズでの納品が可能か確認しましょう。
3. 表面処理の有無
アルマイト処理やヘアライン加工、塗装仕上げなど、見た目や耐久性に関わる表面仕様も大切です。
4. 納期と在庫確認
特注サイズや大量注文の場合は納期がかかるため、事前に納品スケジュールを確認しておくと安心です。
5. 価格変動に注意
アルミは国際相場の影響を受けやすく、価格が頻繁に変動します。複数の業者から見積を取り比較するのが得策です。
【まとめ】アルミ素材は未来を支える「スマート素材」
アルミニウムはその汎用性・環境性能・高機能性により、今後ますます重要性が高まる素材です。個人のDIYからプロフェッショナルな建築・製造現場まで、その用途は多岐にわたります。
アルミ素材を購入する際には、合金の種類、形状、サイズ、表面処理、価格などをよく比較し、自分の目的に合った最適な製品を選びましょう。
信頼できる販売店やメーカーからの購入が、品質確保と長期使用の鍵となります。
